東野圭吾ゲームの名は誘拐」。

敏腕広告プランナー・佐久間は、クライアントの重役・葛城にプロジェクトを潰された。葛城邸に出向いた彼は、家出してきた葛城の娘と出会う。“ゲームの達人”を自称する葛城に、二人はプライドをかけた勝負を挑む。娘を人質にした狂言誘拐。携帯電話、インターネットを駆使し、身代金三億円の奪取を狙う。犯人側の視点のみで描く、鮮烈なノンストップ・ミステリー。

これは非常に面白かった。僕は東野圭吾さんの作品はいくつか読みましたけど、この作品には一番きれいに騙されましたね。苦笑。悔しいが仕掛けられた謎を疑うことすらしなかった。と言うか、謎が存在する話だと思わなかった。まぁ、あまり言うとネタバレになりますからこれ以上言いませんけど。
「良い人が出てこない物語を作りたかった。」という東野さんの言葉通り、登場人物は悪人ぞろいですね。犯行は慎重なんだけれども、粘着質なところが全く無く合理的。悪なんだけど、そこに爽やかさすら感じられますね。特に、ヒロインがいい。正直惚れたね。笑
この作品は井坂聡監督、藤木直人仲間由紀恵主演で「g@me.」と言うタイトルで映画化もされてたんですね。読み終えるまで僕は知らなかったんですけど。ただ、そのことはラッキーだったな。主演を聞いてしまうとどうしても自分の脳内のイメージが影響されますから。そして、この「g@me.」、原作とは異なった味付けに仕上がってるんだけど、これもまたとても面白い。まぁ、映画の話はまた明日にでも。
ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)