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読み終わりました、北方謙三「黒龍の柩」。
主人公は新選組副長土方歳三。池田屋事件から箱館の戦いまでの彼の生き様が描かれています。
これが、すごく面白かった！これまで読んだ新選組を扱った小説の中でも特に印象的な作品でした。
まず、この作品は大胆な創作部分が目を引きますね。その中での土方の神出鬼没の活躍は先が全く読めず、史実を知っていても物語の中にスリルを楽しむことができます。しかも、創作部分にも筋が通っていてリアリティがあります。そして、あっと驚くエンディングもいいですね。まぁ、このあたりは読んだ人だけのお楽しみでしょう。笑
それから印象的だったのが、この物語の中の土方歳三像です。従来の土方歳三は冷酷な鬼の副長として、最期は死ぬために戦う悲壮感漂う姿で描かれることが多くありましたが、「黒龍の柩」の中の土方歳三はこれとは違います。従来通りの峻烈な生き方の中でも、夢のために戦い、自ら死を選ぶことはなかった。この土方歳三に人間的な魅力を感じましたね。
そうそう、この小説とは関係無いんだけど、「土方」なんて名字は自分の周りにはいないので珍しい名字なんだろうと思ってたんだけど、歳三の故郷である多摩に行ったら、あそこは土方さんだらけでした。ちょっとびっくり。