イニシエーション・ラブ

カープは今日も完封勝ちか!僕も早く新球場に行ってみたいね。
さて、久しぶりに本の話を。
乾くるみ、「イニシエーション・ラブ」。

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて・・・。甘美でときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説。

といった感じ。
初めて女性とつき合う時の喜びと不安、遠距離恋愛、クリスマス、別の女性の登場・・・「僕」とマユの関係はどうなっていくのか?
ま、興味を持った人は読んでみてよ。
でも、ここから先は少しネタバレもあるので、読まないで。それから、本の帯や裏に書いてあるあらすじも、見ない方がいいと思うな。






・・・と。これでうまく騙されて読んでくれる人がいると面白いんだけどなぁ。笑
読んだことのある人、あるいはレビューを見てしまった人はお分かりでしょうが、この小説は一般的な恋愛小説とは違う。物語に仕掛けられたあるトリックが最大のウリ、というか、このトリックのみで勝負している小説ですね。
このトリックを面白いと思うかどうかがこの小説を楽しめるかどうかの分かれ目でしょう。
僕もこのトリックを見破ってやろうと思ってね、ちょっと気合い入れて読んだんですよ。その甲斐あってオチは読むことができたんだけど、きっちり騙された方が、この小説を楽しめたでしょうね。
トリック一発勝負で、ストーリーが特別面白いというわけではないですから。もっとも、これはトリックを引き立てるために敢えてそうしているみたいですが。
問題なのは、読み手のほとんどが、この小説を、「最後にどんでん返しがある小説」と思って読んでることでしょう。
既に、どんでん返しをウリにした小説として認知されてますからね。それに、上に書いた「僕がマユに・・・」というあらすじは、本の裏側に書いてあるものを引っ張ってきたのですが、これには「と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。」という続きがあるんですよね。最初からラストに何かあるってばらしちゃってるわけで。
「ラストにどんでん返しがある」と言われているどんでん返しは、果たして「どんでん返し」たりえるのか?
この小説のトリックは慎重に読めば序盤で見破れるものですしね。そうすると、「二回読みたくなる」とはいかないでしょう。
もし、何の前情報も無く、恋愛ものを読もうと思って読めば、うまく騙されて楽しめるでしょうね。騙される喜び、というものもありますから。
・・・ところで、「どんでん返し」の「どんでん」って何?岡田前阪神監督?笑