ついに本棚から本があふれてしまいました。友人に貸すなどしてあふれないようにしてたんだけど、宮部みゆきブレイブ・ストーリー上・中・下」を買ったことで本棚の要領をオーバーしてしまいました。僕は古本屋に本を売らないんですよ。読んだ本は何回も読み返しますから。一度読んでしばらくしてから読むと新たな発見があったりするからね。
さて、読書感想文。ヤンキース松井秀喜選手もリハビリの合間に読んでいた作品、東野圭吾「魔球」。

9回裏2死満塁、春の選抜高校野球大会、開陽高校のエース須田武志は、最後に揺れて落ちる“魔球”を投げた!すべてはこの1球に込められていた……捕手北岡明は大会後まもなく、愛犬と共に刺殺体で発見された。野球部の部員たちは疑心暗鬼に駆られた。高校生活最後の暗転と永遠の純情を描いた青春推理。

東野圭吾さんの作品には精密に仕上げられた謎が見事に解き明かされていくそのプロセスが魅力の作品が数多くありますが、「魔球」は謎解きの面白さも持ちつつもそれ以上に描かれている登場人物の生き方が印象的でした。だから、謎解きの部分が無くても十分に価値のある作品だと思いますね。もちろん、仕掛けられた謎もすごく良くできた物なんですが。悲しい話だけど、読後には感動が残ります。キーワードは、「その人物にとって大切なもの」かな。
魔球 (講談社文庫)