いい作品でした。小川洋子博士の愛した数式」。
家政婦として働く「私」は、ある春の日、年老いた元大学教師の家に派遣される。彼は優秀な数学者であったが、17年前に交通事故に遭い、それ以来、80分しか記憶を維持することができなくなったという。数字にしか興味を示さない彼とのコミュニケーションは、困難をきわめるものだった。しかし「私」の10歳になる息子との出会いをきっかけに、そのぎこちない関係に変化が訪れる。彼は、息子を笑顔で抱きしめると「ルート」と名づけ、「私」たちもいつしか彼を「博士」と呼ぶようになる。・・・という話。
80分しか記憶のもたない博士、というのは奇抜な設定と思いましたが、実際はとても優しさと純粋さにあふれている作品でした。「博士」と「私」と息子、3人の関係がとても温かくて美しい。
そして、この作品のキーワードとしていくつか出てくる数字の話も面白い。身近に存在する数字に様々な意味が秘められている、という話はとても興味深いですね。これらの数字持つ意味の美しさが物語の美しさをひきたてています。
これ、映画にもなりましたよね?DVD出てるのかな?是非見たいですね。
博士の愛した数式 (新潮文庫)