愛の妙薬

2010年になりましたね。やれやれ、2009年もなんとか生き延びたか。さぁ、今年は、どうかな?笑。ということで、今年もよろしくお願いしますね。
さて、昨日は、オペラを見に行ってきたんですよ。
ドニゼッティの「愛の妙薬」。
だいたいの話はこんなかんじ。
舞台は、19世紀のスペイン、バスク地方のある村。
良く言えば純朴、悪く言えばおバカさんな農夫ネモリーノは、農場主の娘アディーナに恋をしている。ある日、ネモリーノはアディーナが村人に、「トリスタンが愛の妙薬の力でイゾルデと恋仲になった」という物語を読み聞かせているのを耳にする。
そこに軍隊がやって来て、軍曹ベルコーレがやってきてアディーナを口説く。ネモリーノも勇気を出して想いを打ち明けるが、アディーナはつれない態度。
そこに今度は、インチキ薬売りのドゥルカマーラがやって来て、村人達に薬を売りつける。村人達が去った後、ネモリーノはドゥルカマーラに、「愛の妙薬は売ってないのか?」と尋ねる。彼をカモと見たドゥルカマーラは、普通のワインを、「これは愛の妙薬で、飲んで1日後には、あらゆる女に好かれるようになる。」と、売りつける。
妙薬(実はワイン)を飲んだネモリーノの前にアディーナが現れるが、ネモリーノは、「どうせ明日には俺のことを好きになるさ。」と、知らんぷり。そこにやって来たベルコーレがアディーナを再び口説き、ネモリーノへのあてつけにアディーナは結婚の申し出を受ける。しかも、軍隊の移動のため、今日中に結婚することになってしまう。
これに慌てたネモリーノは、効果を早く出すために、さらに妙薬をドゥルカマーラに求める。が、彼には金が無い。「たとえ1日でも彼女の愛が得られるのなら。」と、ネモリーノは、軍隊に入る決意をし、その契約金で妙薬(実はワイン)を買う。
アディーナは、ドゥルカマーラから、ネモリーノが彼女の愛のために軍隊に入ったことを聞かされ、その強い想いに心を打たれ、ネモリーノを愛するようになる。
アディーナは、ネモリーノが軍隊に入る契約書を買い戻し、彼への愛を告白する。二人が抱き合うのを見たベルコーレは、アディーナを諦めて去っていく。
ドゥルカマーラは、自らの妙薬(実はワイン)の効果を宣伝し、村人達が大喜びでこれを買い求めた後、皆に感謝されながら去っていく。
めでたしめでたし。
少し長くなったが、まぁ、こんな話だ。
昨日のベルガモドニゼッティ劇場の面々による舞台は素晴らしかった。毎度の陳腐な感想で申し訳ないが、僕のような俗物に、由緒正しい劇場による舞台を批評するのは難しい。苦笑
昨日は、幸運にも、開演前に、演出家のお話を聞かせていただいたり、リハーサルを見学させていただくことができたり、こちらも素晴らしい経験になりました。ありがとうございました。
開演前は、歌手の皆さんはかなりリラックスしてる様子でしたね。ネモリーノ役の人(純朴な農夫をやるにはイケメン過ぎる。笑。歌は素晴らしかったが。)なんか、見学の女の子に投げキッスしてたし。さすがはイタリア紳士!笑
ところで、「愛の妙薬」なる便利なアイテムを、現代の科学力で作ることはできないんでしょうかね?笑
飲んだ人間の周囲がその人物を好きになる、という点で、飲んだ当人に変化を及ぼす、いわゆる「媚薬」とは違いますよね。
ちなみに、オペラの冒頭でアディーナが読んでいる物語では、「魔法使いにもらった妙薬を飲んだトリスタンにイゾルデが恋をした」となっていますが、この話は、ケルト説話だかなんだかが起源だそうで、もとの話では、誤って媚薬を飲んでしまった、トリスタン、イゾルデ両人が・・・おっと、この先は18禁だ。笑
以前聞いた話では、ヒトのフェロモンは科学的な方法で抽出できるんだとか。それを使えば、使った人間の性的魅力を高める「愛の妙薬」が作れる?・・・無理?笑。まぁ、フェロモンって言っても、性フェロモン以外にも色々あるらしいんですがね。
「婚活」のこの時代、こういった科学的な(?)アプローチの仕方もあっていいんじゃないでしょうか?笑