kinnosuke2006-06-30

前回に続いて子どもの話。
幼児の発達を調べるテストで、液量の保存テストってのがありますよね。
2つの同じ形のコップA・Bに同じ量の水が入っていて、Bの水を形の違うコップCに移す。さて、Aに入っている水とCに入ってる水、どちらが多いでしょう?ってやつ。答えはもちろん両方とも同じ。これ、大人は分かるんだけど、まだ保存の概念ができてない子どもには分からないんですね。底面積の広いコップを選んだり、細長いコップを選んだりする。まぁ、保存する対象が液量や長さや数などによってできるようになる年齢は違うし、このテストだけで保存の概念の形成を考えることはできないらしいんだけどね。
この液量保存の問題、僕も幼稚園のやらされたんですよ。でも、当時保存の概念ができてなかった僕は、「どちらが多いでしょう?」の問いにさんざん悩んだあげく、細長い方のコップを選びました。液面の高い方が多いんじゃないかと思ったんです。もちろんそれは間違いで、当時の年齢からすれば間違ってもかまわない問題なんだけど、子どもは自分の年齢ではどのような発達をしていれば良いかなんて分からないから、すごく自分がダメな気がしてね。「コップの形が変わったからって水が増えたり減ったりするわけないじゃないか!なんて馬鹿な間違いをしたんだろう!」ってずいぶん屈辱に感じたものです。そして、ずっとその屈辱を根に持ってた。(もちろん屈辱なんて言葉は知らなかったけれど。)
それでね、数年後に一つの結論に至ったんです。『当時、質問者は僕に「どちらが多いでしょう?」と聞いた。「どちらが多い」と聞くならば、答えは「○○が多い」でなければならないはずだ。だけど、答えは「どちらも同じ」。だから、これは質問が悪いんだ。この問題は「二つの量の関係を答えなさい。」とか「どちらが多いでしょう?それともどちらも同じですか?」というふうに聞かなきゃならない。そう聞かれてたら絶対正解できたはずだ!』、と。
我ながらほんとに可愛くない子どもでしたよ。苦笑