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すごく良かったですね。東野圭吾「宿命」。
高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。男の前に十年ぶりに現れたのは学生時代ライバルだった男で、奇しくも初恋の女の夫となっていた。刑事と容疑者、幼なじみの二人が宿命の対決を果すとき、余りにも皮肉で感動的な結末が用意される。 ・・・という話。
「白夜行」が良かったので「宿命」「魔球」「レイクサイド」「どちらかが彼女を殺した」「嘘をもうひとつだけ」、と東野圭吾作品を読みました。全部いい作品だと思ったけど、この「宿命」は特に良かった。
「犯人は誰か、どういうトリックか、手品を駆使したそういう謎もいいけれど、もっと別のタイプの意外性を創造したいと思いました。」との作者の言葉通り、この作品には犯人探し以上の謎が仕掛けられています。しかも、読んでいて絶対に説明がつかないと思われるそれらの謎が最後には見事に解き明かされるのがすごい。その謎も物語が終盤になっても答えが解らなくて、最後の最後でようやく答えが出る。最後の１行まで楽しめる作品。